ホフマンの個展の隣、Don Soker Contemporary Art Gallery では、日本人彫刻家・清野祥一が、彫刻を壁に取り付けた展示を行っている。アメリカの彫刻においては、ほとんど見られないことだが、清野の作品は、装飾的な意味と終末論的な意味を持ち合わせている。(注:展覧会は、今週末に最終日を迎えるが、清野の作品は5月22日まで展示されている)
2種類のオブジェが展示を構成する。ひとつは、ほぼ立方体のものである。それらは、滑らかな部分とごつごつした部分をもち、腰の高さあたりで壁に取り付けられている。もうひとつは、黒い小さなパネルで構成された列の中に、銅で造られた同じようなパネルをひとつ置いたものである。
清野は、これらを、非常に高い温度で鋳造している。それらは、銅と、近年開発され、航空機や原子力産業において使用されているセラミックグラファイトを混ぜ合わせたものである。)
現代のテクノロジーは、地獄の神話的ビジョンを連想させる力と強く結びついている。清野の彫刻は、この地獄的なものを想起する。清野の作品の中で、最も粗く刻まれているものは、破滅の遺物のようである。それらは、否応無しに、広島と長崎の原爆、アメリカの状況からすれば、ワールド・トレード・センターの崩壊を、見る者に思い出させる。)
パネルのような作品は、日本の屏風や、使用しない際に、輝くイメージを暗闇の中に包み込む仏壇を、静かに連想させる。
この作品の静けさは、激しく焼かれた「立方体」と、見事な対照をなしている。